コンテンツ化された苦悩

憎み憎まれて生きるのさ

23歳ニートの人生がダメになっていくドキュメンタリーです

おもろうてやがて悲しきブログかな

 Everyday is the 土砂降り。Everything is nothing。そんなもんだろう。

 ニート人生を揺るがす公務員試験と教員採用試験が終わり、ブログを更新するモチベーションもどこかへ消えていった。数ヶ月、ごちゃごちゃと自分の人生について動かなければならなくて非常に疲れてしまった。疲れた割には、あまりにも得るものもなかった。というべきか。自分の限界をことごとく思い知らされましたよ。基本、自分がどのくらいのレベルの人間かなんて知る機会もないし、できれば知りたくもないが、こういう白黒はっきりつける場所に連れてこられて、国家権力に「お前はこの程度だよ」と突き付けられてしまったら、もう本当にどうしようもないじゃないですか。ブログの文章を2つ書いたくらいで「なんかどうでもいいな」という気持ちになった。ニートとして、失敗するべく失敗し、絶望するべく絶望している。不確かな人生の中で、俺の人生のしょうもなさだけが確固としてゆるぎない。

 

 村上春樹神宮球場でヤクルト戦を見ている時に小説を書こうと思い立ち、『風の歌を聴け』を執筆したそうだが、俺は大学3年生の時に「時間・空間・物質の科学」という授業を受けながらこのブログを開設した。その時、一緒に授業を受けていたサークルの後輩にブログのURLを考えてもらった。俺の「ねえ、なんか適当な英数字でカッコいいのちょうだい」という無茶ぶりに対し、「じゃあworld of momoshiroというのはどうですか」と後輩が案を出してくれたのだ。俺の名前にも後輩の名前にも「ももしろ」という言葉はかすりもしないのに、なぜ「ももしろ」なのか。後輩曰く「面白い」→「オモシロ」→「ももしろ」らしい。その時のブログタイトルは今と違っていて適当につけた「コンテンツ化された苦悩」なる名前でやっていた。頭の悪い大学生の背伸び感がそこはかとなく漂っていていいタイトルだと思いますが。作ってからしばらく放置してて、大学4年生で就職活動に手こずり始めた時に現実逃避に愚痴を書き殴るようになったのが、このブログのまず最初のスタートラインだったのでした。今とあまり変わらんな。

 

 ブログを書き始めた当初は、「アフィリエイト収入で働かずに生きていけるんじゃないか」と思っていたが、アクセス数が完全に死んでいたのと、アフィリエイトのやり方が分からなかったので、そもそもお金になるわけがなかった。「コンテンツ化された苦悩」はまさに苦悩を読者に向かって愚痴り続ける不毛な場所だった。アフィリエイト広告の貼り方を覚えてから露骨に商品紹介する記事を量産したりして、今となっては野井戸に飛び降りて異世界に行きたくなるくらい恥ずかしい。お金欲しさに完全に血迷っていたのだ。買った服とかポロシャツの紹介してた気がする。自分めっちゃダサイのに。CAMBERのポケットTシャツとか。REDKAPのパックT、LLBEANのアノラックパーカ、あとは欲しいスニーカーのこととか。執拗なプッシュ戦略が功を奏したのか、本当に稀にだが、なにか買ってくれる人がいてびっくりした。

 

「日東 マスキングテープ No.720 15mm×18m 1本8巻入り」

「新装版 パジャマな彼女。(上) (アフタヌーンKC)」

「UnitedAthle 5.6オンス ロングスリーブ Tシャツ」

「タカ印 賞状用紙 10-1460 OA賞状用紙 A4 縦書き 雲なし 100枚 白」

CITIZEN 高精度温度湿度計・時計付ポップなカラーで小型のモデル ライフナビプチA」

「CAMBER #302 POCKET T-SHIRT」

「Touch & Go 使用用途が広がる無地でシンプルかつ、丈夫で厚手な 長袖 Tシャツ」

「RED KAP 6.7oz Vネックヘビーウエイト2パックTシャツ ホワイト」

「アスデック VAIO Phone A & VAIO Phone Biz 用 保護フィルム 」

「スコッティ ティシュー 400枚(200組) 5箱 カラーパッケージ」

「レイ・アウト VAIO Phone Biz VPB0511S ケース 手帳型」

キユーピー シーザーサラダ ドレッシング 1000ml」

 

 こうして「コンテンツ化された苦悩」時代のアフィリエイトのレポートを見返してみると、意外と俺はファッションブログの才能があったんじゃないだろうか。なぜかオススメした覚えのないユナイテッドアスレのTシャツをリピート買いしている人もいる。完全にブログ経由でAmazon開いて、別のもの欲しくなったパターンだろ。あとVAIOスマホ関連商品買ってるやつ!保護フィルムと手帳型ケース買うってウキウキだな、おい。マスキングテープ、賞状100枚、温度計に至っては何で逆に俺のブログから飛んでそれ買ったの?という気持ちになった。どういう職業の方が読んでたんだよあんなブログ。事務員?校長?「パジャマな彼女」って今アニメやってる「はねバド」の作者が以前描いていたジャンプの打ち切りちょいエロラブコメ漫画だよね?チョイス渋すぎないか。俺読んだことないけどさあ。なんで下巻は俺のブログから買ってくれないんだよ。上巻つまんなくて買うのやめたのか、それとも面白すぎて走って買いに行ったのだろうか。一番謎なのがシーザーサラダのドレッシングを1リットルも買ってる人!なんで俺のブログから野菜の味付けるための調味料を注文しようって気持ちになったんだよ。その気持ちの変遷を事細かに知りたい。1リットルて業務用やんけ。絶対冷蔵庫で邪魔になるって。一番力を入れて書いたのは「ラコステフレッドペリーのポロシャツどっちがカッコいいか?」みたいなやつなんだけどなあ。全く反応がなくて切なかった。買えよ。

 

 「コンテンツ化された苦悩」にも飽きて、しばらく放置した後に、読み返したらあまりにも文章が稚拙すぎて、それまでに書いた文章を全部消して今のタイトルである「憎み憎まれて生きるのさ」に変えたのでした。twitterをブログと同期させたのはいつだったろう。いつ取ったか分からないTwitterサブアカウントを「ももしろ」の名前に変えてブログと舞城王太郎専用アカウントとして運用するようになって…(ブログだけの読者には分からないと思うが、Twitterもやっているのだ。)「コンテンツ化された苦悩」と「憎み憎まれて生きるのさ」の間でもいくつかタイトルを変えた記憶があるがどうでもいいようなネーミングばっかであんまり覚えてない。タイトルからこのブログの基本コンセプトである「ニート」を全面に押し出そうとして失敗したような覚えが。あんまりニートとかいうと知り合いにバレた時死ぬかと思ってやめたんだっけ。ブログタイトルは一度「あれ?」と思うと無性に変えたくなるので始末が悪い。なるべくならセンス良く思われたいではないか。ネーミングセンスという牢獄に捕らわれていた俺のブログタイトル行脚に終止符を打ってくれたから、小沢健二は凄い。もうこれで変えないと思います。多分。

 

 新しくブログをやり直す。「コンテンツ化された苦悩」から全部消して何を始めたかったのかと言うと、仕事を失くし、恋人に別れを告げられ(というかLINEをブロックされ)俺はとにかく承認欲求を満たしたかったのだった。心が引き裂かれるくらいさみしかったのである。全然家に帰らないキャバ嬢が飼ってるパピヨンくらいさみしかったのだ。会社をくだらない理由で短期離職し、恋人には愛想を尽かされ、自己肯定感が地に落ちた俺をこのブログだけが横もれ防止サイドギャザーのように支えてくれていた。アフィリエイト収入がどうでもよくなるくらい、社会との接点が欲しかった。村上春樹の言っていたように文章を書くということは自己療養へのささやか試みなんだろうか。

 

 自分の書いた文章を誰かが読んでくれるのは、気分がいい。なぜなら承認欲求が満たされるからだ。「いいね」や「リツイート」された日など1日中鼻歌が止まらないくらい嬉しい。感想書いてくれる人とか、「コンテンツ化された苦悩」時代にはそんなことしてくれる人いなかったので、「父なる神かよ」と思う。こんなニートの文章を読んでいただけるなんて倒錯的な喜びがありますよ。中学校の国語教師に「お前の文章は読むに堪えないアスホールだ。プッシー野郎」みたいなこと言われた俺がこうしてブログを書いているなんて。

 

 承認欲求を満たすために書いているとはいえ、たまに「あなたの文章は面白い」とかそういったことをDMで送ってくれたりする人がいて、そこまで行くと自分の文章力とはかけ離れた世界のことのような気がして、「この人は俺のブログと誰かのブログと勘違いしてらっしゃるぞ」と思ってしまう。熱烈に褒めてくださる方に限って急にTwitterのフォロー外して音信不通になったりするから「ああ、勘違いに気づいてくれたんだな」と思ってメンタルを守っている。DM送る前にブログとアカウントをちゃんと確認してください。褒められるのはまんざらでもないけど、ていうか嬉しいけど自分の文章は面白くない。俺が客観的に見てこのブログでILLだなと思うのは一貫して、「人生への向き合い方の上手くいかなさ」みたいな、そういうものだ。世間で生きてる人間が普通にこなしている就労だとか恋愛だとかそういうものが当然のようにうまくいかずズタボロにされて死にそうになってる人間の書くたわごとだ。こんなのは。そういうのを「面白さ」とカウントするなら誰でも仕事を辞めたり恋人と別れたり、その両方をすればいくらでも書けると思う。文章の面白さよりも如何に自分がダメなのかを再確認するためにブログ書いたりしてる。へらへら笑いながら書いた文章でなぜか「大丈夫ですか?」と心配されたり、涙ぐみながら書いた文章に「めっちゃ笑いました」と言われたり、書き手の気持ちとは全く逆の感情が伝わったりすることもあるし俺はやっぱり文章が下手なのか。自分で書いてても何が面白いのか分からなくなるし。クオリティにしても適当に書き殴ったのが評判良かったり、力入れて書いたのに全然反応がなかったり、ブログって変だなあといつも思う。承認欲求満たせればなんでもいいんだけど。

 

 とりあえず俺が言いたかったのはこのブログを読んだらポロシャツを買ってほしいということだけなんだな。(或いはシーザーサラダのドレッシングでもいい)

 

(ラコステ) LACOSTE ラコステL.12.12ポロシャツ(無地・半袖) L1212AL 166 ネイビー 003