コンテンツ化された苦悩

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コンテンツ化された苦悩

「お前がブログを覗くとき、ブログもまたお前を覗いているのだ」

大学4年生の俺が就活をしないで『新世界より』をイッキ読みした

きのうきょう就活できなかったのは全面的に貴志祐介が悪いと思う

 

この人には高校時代からテスト勉強やら受験勉強を邪魔にされてきたけど、ついに就活まで邪魔してくるとは思わなかったです。自分で買いはしないけど、テスト勉強しにきた図書館とかでなんとなく手に取ると最後まで手が止まらなくなってしまう小説を書く、恐ろしいひとだ。『クリムゾンの迷宮』『青い炎』『悪の教典』『天使の囀り』...

 

 

先週、大学の図書館で文庫版の上巻をなんとなく読んだら(本当になんとなくですよ、エントリーシート書くのだるかったとかではなくて)これがまあ面白いこと面白いこと。ながかったけど、先が気になってまってその日のうちに上巻を読破し、借りた中巻、下巻をこの2日間でイッキ読みしてしまった。

 

ストーリー

1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。(ウィキペディアより)

 

まあ、そんなわけで『新世界より』ですよ。あらすじは少し聞いたことがあって、そのときはあんまりおもしろそうじゃないなーって敬遠してたけど、読んでみたらあらすじのイメージと全然違っていて裏切られた感じだ。その裏切りもまた自分が予想していたこの小説のおもしろさの限界値を大幅にうわまわっていたので気持ちがよかった。

 

こういうのはネタバレ全開で感想書いてしまっていいのだろうか。

 

①「呪力」の設定が俺の心をがっちりホールド

あらすじを聞いた時には「呪力」っておまじないとか祈祷のことかなーと思って心そそられなかったけど。「呪力=念動力」という設定のごりごりのSFだった。これがまあ、便利な能力なんですわ。俺が寝る前に妄想していた「もし俺が念動力を手にしたらどうするか」的な出来事がばんばん再現されてくし、それ以上にぶっ飛んだ発想で念動力を行使していくのが、想像力をフルにかきたてられて快感でした。ただ便利なだけでなく、念動力のデメリットや弱点も描いていたのが、秀逸。

 

具体的にほえーと感心した念動力の設定

  • 動物の遺伝子を自由に操作することができる
  • 砂絵にイメージを投射し絵を描く
  • 割れた物を融合する
  • テロメアを修復して不老長寿になる
  • 光を操って鏡やレンズを作る
  • 空を飛ぶのは上級者以外には難しい
  • 二人以上でひとつの対象に念力を使うことはできない

 

呪力超便利ですやん。寝る前の妄想のバリエーションが激増した。あと未来系田舎風ディストピア+村人超強い+どんな質問にも答えてくれるマシン+キメラなどの要素からちょっと『ノーストリリア』を連想したけど、どうなんだろう。作者はSF好きそうだから参考にしたのかもしれない。そうだとしたら古典SFを日本風に味つけしたセンスに脱帽です。


とにかく『新世界より』を読んでない人は絶対読んだ方がいい。とくに寝る前に「超能力があったらいいのに」とかいう妄想するような中学生は。

 

新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

 

 

 

新世界より(中) (講談社文庫)

新世界より(中) (講談社文庫)

 

 

 

新世界より(下) (講談社文庫)

新世界より(下) (講談社文庫)

 

 

 

ノーストリリア (ハヤカワ文庫SF)

ノーストリリア (ハヤカワ文庫SF)