コンテンツ化された苦悩

Boy neet Girl (そして人生は続く)

22歳ニートの人生がダメになっていくドキュメンタリーです

おれいま旋律みたいなのが走ってんだけど

唐突だけど俺の好きな洋楽のPOPソング10選を発表させていただく。ランキングじゃないので順番は特に関係ありません。

 

1.The Jesus And Mary Chain - Just Like Honey

ジーザス&メリーチェインの代表曲で、シューゲイザーというジャンルの教科書があるとしたら一番大きく取り上げられるであろう曲。気だるげなボーカル、ゴワゴワしたギター、激甘のメロディー、適当すぎるドラムが化学反応を起こして魔法みたいな曲になっている。これを大音量で聴いていると意識がぐうっと遠のいてただひたすら気持ち良くなれる。聴くドラッグだぜ!

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2.The Cure - Friday I'm In Love

ひたすらに多幸感が耳へと流れ込んでくるようなポップソング。超キャッチーなメロディーが聴けば聴くほど心に染みてくるのよ。歌詞がかわいい。聴いているとすがすがしい爽やかな気持ちになれる。

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3.David Bowie - Starman

しっとりとしたギターのイントロから始まるけど、サビの盛り上がり方が半端ない。

サビの終わりの「Let the children lose it  Let the children use it  Let all the children boogie」って歌い上げる部分が死ぬほど好き。美しいメロディーだけど、懐かしさと切なさが胸の奥から湧いてくるような不思議な気持ちになれる曲

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4.Pink Floyd - Wish You Were Here

タイトルがまず素晴らしい。なんていったって「あなたがここにいてほしい」ですよ。

題名の通り「あなたがここにいてほしい」っていう気持ちを100%そのまま歌にしたようなシンプルで力強いバラード曲。悲しみのさきにある無常観みたいなものを想起させる。これもギターが泣かせる。そして何度聴いてもドラムが入ってくるタイミングに鳥肌が立つ。

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5.Travis - Why Does It Always Rain On Me?

「なぜいつも僕にだけ雨が降りかかるの?」と歌うこの曲。フェスで歌ったときに本当に雨が降ってきたというエピソードがある。へっぽこ根暗男子がついてない時に聴くと癒されるまったりとした名曲。人生が常に雨模様でももう少し頑張ってみようって気持ちにさせる。

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6.R.E.M. - Man On The Moon

哀切極まる名曲。マイケルスタイプの声は心を落ち着かせてくれる。ポップながらも、どこか暗い内面を持つ曲。皮肉めいた歌詞も印象的。静かなギターのイントロやリリカルなサビは、しみじみと夢心地になれる。R.E.M.史上、もっとも美しいといわれる"オートマチック・フォー・ザ・ピープルの後半"の代表曲。 

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7.Radiohead - Creep

説明不要の大名曲。この曲が余りに出来すぎてしまったからこのアルバムの他の曲が霞んでぼやけてしまう。この曲だけが余りに世間から評価されてしまいRADIOHEADのメンバーは苦悩したらしいけど、良いものは良い。ポンコツ根暗男子の永遠のアンセム。必聴。

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8.New Order - Krafty

ニューオーダーの超ストレートなポップソング。何回聴いても胸がキュンとする。

初めて聴いたとき、その場から動けなくなるほどの衝撃だった。自分の感性にここまでぴったりの曲があるなんて!とにかくサビがいいんですよ。甘酸っぱくてさわやかで、10代のイノセントだったころの気持ちになれます。歌詞的にはもっと大人の曲なのかもしれないけど。MVエロいし。

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9.The Raveonettes - Last Dance

男女ツインボーカル。嘘みたいにシンプルな曲だけど、メロディーのキャッチーさに力ずくでねじ伏せられる感じがある。サビの後の「ううーうーうー♪」って歌うところ狂おしいほど好き。

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10.The Buggles - Video Killed The Radio Star

これも説明不要。有名だし。天才てれびくん経由で知ったけど、今の自分の音楽の趣味を決定づけた原体験といってもいい。一度聴くと頭から離れないマインドファックなメロディー、最高すぎる。

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10選通して聴くと一貫性があるような、ないような…とにかく自分はキャッチーな歌メロに弱いんだということが分かった。

腹を切るまでもない。俺はとっくに死んでいる

お金がない

 仕事を辞めて特に仕事をすることもなくダラダラと生きているけど、そろそろ貯金がなくなりそうだ。できるだけお金を使わないように気を使っているけど、何もしなくとも国民健康保険、年金、携帯代もろもろ合わせて毎月4万くらい吹っ飛んでいくから、悲しみを通り越して笑いがとまらない。あはは。実家暮らしだからまだ家賃とか食費とかかかってないけど、一人暮らしの人とか仕事辞めるとなるともっと大変だな。辞めたくても辞められないサラリーマンが社会の陰で苦しんでいるのだと思うと胸が痛くなる。お金にならんかなーと思ってブログ更新していたけど、全然お金にならんかった。このブログ始めてからアフィリエイトで稼いだのが一年間でたったの500円ちょっとくらい。500円てどうしようもない。ブログで生計を立てる夢は早くも頓挫いたしました。

 仕事辞めたニートが暇つぶしで書いてる一日に50くらいしかアクセスこない過疎ブログでお金が稼げるわけがなかった。てか、今までのアフィリエイト収入もブログで紹介した商品を買ってもらったわけじゃなく、Amazonリンクで飛んだ後に「あ、そういえばコレ買っておこ」的な全然関係ないものが売れただけで偶然の産物でしかない。人にものを買ってもらうって簡単じゃないのだ。就職して2ヶ月だけ営業やってたけどその時点で俺は人に何かを買ってもらうのが致命的に下手だった。取引先から出禁食らったりしたなあ、懐かしい。もう一生営業なんてやらないもん。

 

「風車男ルリヲ」 筋肉少女帯

 

人と雲の行く果ては何処だろう

悩み多きものの行く果ては

パノラマの島のあの上にある

月の裏のクレーターかもしれない

確かな事は分からないけれど

確かな事は分からないけれど

確かな事は分からないけれど

確かな事は分からないけれど

楽しかったあの頃に君が戻れないのは

煌煌と月の照るホスピタルの上で

観覧車みたいに巨大な風車を

グルグルと回すルリヲがいるから

風車を早く止めなさい

風車男を殺しに行きなさい

今すぐバスに飛び乗りなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

待ち人が遂に現れないのも

それもやっぱりルリヲのせいで

老人の顔した赤ん坊を背中にしょって

黄金虫は金持ちだと歌いながら風車を回す

風車を早く止めなさい

風車男を殺しに行きなさい

明日の風に吹かれる前に

ルリヲを殺しに行きなさい

ねえ君

だけどルリヲは見つからないよ

聞いたんだよ

風車男には

首がないんだよ

首がないんだ

ルリヲを探す旅に疲れ果てて

君はどこかのつまらない娘を恋して

もしかしてこれが幸せと思う

バカだねルリヲの思う壺さ

風車を早く止めなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

冬が来る前に旅立ちなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

ルリヲを殺しに行きなさい

ルリヲ〜

 

 お金を稼ぐなら何でもします、というのが偽らざる今の心境なのだけれど、問題は何にもできない俺の無能さ。いっそつげ義春の「無能の人」みたいに川で拾った石を売るひとになってしまおうか。

 この文章を読んでるホワイト企業の人事とかいねーかな。

 

 マジでお金ないので近日中になんかします。(犯行予告ではない)

 

 

無能の人・日の戯れ (新潮文庫)

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脳にお味噌が足りてない

 自分がいま、死んでるみたいに生きているのか、生きてるみたいに死んでるのか分からない。不眠症のカバのような退屈な毎日を過ごしている。22歳ニート、本日は暑すぎて外に出ることを断念しました。小学生が8月31日に手つかずの宿題を前にしたような焦燥感が重くのしかかる。だが、小学生じゃない俺にはやらなくてはいけないことなど何一つない。

 

 会社に入って毎日働いてお金を稼ぐという社会人としての基本となることが、なんで俺にはできないんだろう。前の職場はたしかに辛かったけれど、自殺したり過労死するようなキツさの職場ではなかった。俺より辛い環境で日々歯を食いしばってがんばっている人は大勢いるはずだ。学生時代は「やる気ないなら帰れ」って叱る先生がいたら本当に帰りたくなるどうしようもないナマケモノだった。さすがに帰らなかったけど「やる気ないなら辞めちまえ」と言われたら本当に辞めてしまう社会人になるとは思わなかった。NOと言えない日本人。「会社辞めます」と言える俺。

 

 考えても仕方のないことなのに毎日辞めた職場のことをぐるぐる考えてる。短い間だけど、いろんな人にお世話になった。「つらくてもまず半年頑張りなさい」「何かあったらいつでも相談してね」「今度飲みに連れて行ってやる」とか言ってくれた人に何も言わずに辞めてしまった。忙しいのに時間を割いて商品研修やマナー講習をしてくれた先輩社員は怒っているだろうか。辞めた職場のことなんてもうどうでもいいけど、やっぱり考えてしまう。

 

 一度就職に失敗したからって残りの人生もうずっと何にもしたくないと思ってしまう俺は世界一のバカだ。もうすぐ両親も定年で俺がずっとニートでいて、いいわけがない。おばあちゃんたちにも心配かけてしまうことになる。おばあちゃんも最近、体の調子が悪いらしい。そんな状態で孫がニートだったらかわいそうだ。何とかして働いて、まっとうな人生を取り戻さないと。でも、どうしてもがんばる気にはなれないんだ。

 

 自分のダメな境遇を全部人のせいにしたい。そうじゃないと悲しくて生きていけないよ。仕事辞めるのは俺の決意だけど、それを決意させるまでにどんなことがあったかって事には会社は驚くほど無関心で、そういう意味じゃ会社なんて全く信用できないものだと思った。全部嘘じゃん。会社案内のパンフレットに書いてあること。人格形成とか社会の幸福のためとか綺麗ごとばっかり並べるくせに、新入社員一人すらまともに育てられない会社じゃねーか。社会の幸福の前に俺を幸福にしてみろよ。仕事への不信感を植え付けて働く意欲のないニートを日本に一人増やしただけだからな。俺は一生かけて自分が社会に必要とされてないゴミ人間であることを身をもって証明し続けてやる。絶対お前らより良い職業について見返そうなんて思わねーぞ。こうやっていつまでも傷口を見せびらかして生きていってやるからな。俺を辞めさせてよかったな。

 

 

 

 

ジェイソンマークとかいうスニーカー用クリーナー

なにこれ。 めっちゃ汚れ落ちて気持ちイー。

 

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概要

2007年に設立され、世界30ヵ国2,000店舗以上のスニーカーショップやセレクトショップ、百貨店などで取り扱いされているスニーカーアクセサリーブランド【JASON MARKK】。これまで、お気に入りのスニーカーを安心してクリーニングできる洗剤がなくスニーカーフリーク達の頭を悩ませていた中、強い化学薬品や研磨剤を含まず、独自の配合により、効果的な洗浄力で汚れを落とす事ができる【PREMIUM SHOE CLEANER】を開発。98.3%天然素材で、環境に優しく、さらに、レザー、スウェード、ヌバック、キャンバス、ビニール、ナイロン、コットン、メッシュ、ゴムなど様々な素材に安心して使用できることで、スニーカーコレクターやメディアの間で話題となり、世界中で信頼されるスニーカーアクセサリーブランドとして、不動の地位を確立しています。

 

 

【使用方法】

(1)ボウルに張った水にブラシを浸す。
(2)適量のソリューションをブラシに付ける。
(3)ブラシを再度水に浸す。
(4)泡立てながら汚れている箇所をブラッシングする。
(5) 布かタオルできれいに拭き取り、必要に応じてこの工程を1~5回繰り返す。
(6) 自然乾燥させる。

[ジェイソンマーク] JASON MARKK 4 OZ. PREMIUM KIT

[ジェイソンマーク] JASON MARKK 4 OZ. PREMIUM KIT

 

 

 友達から「これやべーほど落ちるよ」と言われて借りてみて「俺のスニーカーの汚さナメんじゃねーよ」と半信半疑で使ってみたら鬼のように汚れが落ちて愕然としてる。

 とりあえず持ってる中で一番汚いナイキのスニーカーがピカピカになってうれしい。どこがいいかってこのクリーナーだと水をあまり使わなくていいことっすよ。すすがなくていいから超エコ。地球にやさしい。小学校のころは毎週毎週上履き持ち帰って家でバケツに水貯めてジャブジャブ洗ってたけど、これだとそんな必要ないからね。ブラシを濡らす水以外はいらないっていうのがめんどくさがりの俺にとっては涙がでるほど便利。実際水貯めてスニーカー洗うと汚れた水捨てるのとか濯ぐための水用意するのがどうにも億劫だったためスニーカーをまったく洗っておらず、今まで俺のスニーカーはベトナム戦争のゲリラ戦を終えたあとの兵士のようにボロボロだった。

 やはりスニーカーはきれいな状態であるのが一番望ましい。どんな素材にも対応しているらしいので明日はディアドラのスエードのスニーカーを洗おうと思う。

 友達からのステマをまんまとブログのネタにする俺なのだった。

パトリックのスニーカーが気になる

 

[パトリック] PATRICK スニーカー MARATHON 9624 GRY(GRY/42)

[パトリック] PATRICK スニーカー MARATHON 9624 GRY(GRY/42)

 

 

patrick-onlineshop.jp

 

 ニート生活が想像を絶するほど暇すぎてやることないから、次にどんなスニーカーが流行るのか考えてる。俺が「良いな」と思ったスニーカーは絶対に流行るから、今俺が履きたいなと思ってるスニーカーが次に流行るはずだ。たぶん。

 そもそもニートだから外あんまり出歩かないしファッション雑誌とか買ってないから今どんなスニーカーが流行ってるのか全く分からんのだけど。そう考えると大学時代は毎日用もないのに東京をぶらぶらしてたからどんなスニーカーを多く見かけるかとかで流行り廃りを確認できていたけど、もうそんなことはできなくなってしまった。

 

ブランドのはじまり

1892年、パトリック・ベネトゥ(Patrick Benetau)が西仏プソージュ村で靴作りを始める。

パトリックについて

「パトリック(PATRICK)」はフランスのスニーカー・シューズブランド。PATRICKの歴史は、1892年に西仏プソージュ村の靴職人、パトリック・ベネトゥ(Patrick Benetau)が息子達と靴を作り始めたことからスタートする。

これは当時、新しいスポーツとして確立されはじめたサッカーの歴史(1863年、英国でフットボール協会が創立)と重なる。パトリックは、ほどなくしてフランス国内でも人気がでてきた、このサッカーの専用シューズにいち早く目をつける。

パトリックが作る、履き心地の良いサッカーシューズは、瞬く間にスポーツ・ファンの間で評判となり、高い評価を受けるようになる。

1972年、パトリックのトレードマークとなるシューズ後方に鋭く刻まれた「2本ライン」が誕生。この2本ラインの誕生によりブランド・イメージは更に強烈になる。パトリックが発表するファッショナブルでオリジナリティー溢れるカラフルなシューズは、流行に敏感なパリジャンやパリジェンヌたちの間で瞬く間に話題となり、ファッション界からも注目を集めることになる。

パトリックが70年代、フランスで最も代表的なスポーツシューズメーカーとして製造していたスポーツシューズは、サッカーシューズ、テニスシューズ、バスケットシューズ、トラック競技用スパイク、ノルディックスキー用シューズ、ドライビングシューズ、トレッキングシューズなど様々なジャンルにわたる。その中でも特にサッカーシューズには力を入れ、80年代には当時のフランス代表、ミッシェル・プラティニにサッカースパイクを提供していた。

1990年に日本での展開をスタート。日本向けのシューズは、フランスのモデルを再現しながらも日本人の足にフィットするように、日本で企画・生産されている。2008年には東京・銀座に直営店「PATRICK LABO GINZA」をオープン。シューズだけでなくアパレルも展開している。また不定期で人気モデルのオーダーイベントも開催している。

フランスのブランド=おしゃれ

world-of-momoshiro.hatenablog.com

 

前欲しがってたルコックと同じフランスのメーカーで、以前はABCマートとかに置いてあったパトリックが今気になっていまして少し前ならおっさんっぽいから遠慮したいデザインだったのに、いつの間にかパトリックのシュッとしたスタイリングにあこがれ始めている。何だこの心境の変化は。

 ルコックはどちらかというと丸っこい感じでぽっちゃり系のかわいさがあるけど、パトリックはきりっと引き締まったクールビューティーな感じがある。まったく流行ってないわけじゃないから、履いてる人はたまに見たけど、今ならかぶることもまずあるまい。

 ただですね、ニートが買うにはパトリックのスニーカーってちと高いんですよ。価格帯が1万4千円くらいからなので…ブログでお金が稼げればいいんですけど、ほんと。犯罪と就職以外だったなんでもしてお金稼ぐ覚悟ですよ、僕ぁ。そんでパトリックのスニーカーを履いて外を出歩きたい。

そういえば最近ABCマートであんま見かけないけどパトリックってどこに売ってるんだろう。

ニートが『ライ麦畑でつかまえて』を読んだところで

 

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

 

 

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

 

 

 世界的な大名作のはずなのに僕の周りでは読んでる人が誰もいなかった。もしかすると読んでる人もいたのに、たまたま話題にのぼらなかっただけかもしれないけど。高校生の時に村上春樹訳を読んでその一年後くらいに野崎訳の「ライ麦畑でつかまえて」を買って、勢いで原著買ってみたけど英語が苦手だったのであっさり放棄。村上春樹訳と野崎訳のどっちじゃなきゃダメとかいう信念は特になく、村上春樹版はハードカバーなので家用、野崎版は外出用的な分担でたまに読み返してたりした。大学に入って友達に無理やり貸したら卒業までそのまま帰ってこなくて、3年くらい野崎訳が行方不明になってしまいうざかった。この前BOOKOFFに行ったら安かったので買いなおして家の本棚みたらいつか買いなおしていたのを忘れていたらしく野崎訳の「ライ麦」が2冊ダブってしまってて、これじゃ2冊を保存用、観賞用に分けて活用できそうだった。

  村上春樹の「ノルウェイの森」で主人公がフィッツジェラルドの「グレートギャツビー」はどのページを読んでも面白いからいつも適当なページ開いて楽しんでます的なことを言ってて僕にとってはそれが「ライ麦畑でつかまえて」だった。最初から最後まで通して読むより気に入った部分を繰り返し読んだり、適当に本を開いて主人公であるホールデン・コールフィールド特有の他のどの小説とも違う独特な語り方に感動していた。どこを読んでも楽しめるというのはこの小説にはほぼストーリーが存在しないからだと思う。小説全体を一言で要約すると、「学校を退学した少年が家に帰るまでの話」で、その要約したら零れ落ちてしまう枝葉を主人公であるホールデン君が全力で語りまくるから、この小説は面白いんじゃないかなと。

 野崎訳はもう30年前くらいの訳なので今の時代にそぐわない古くさい言葉や言い回しもちらほらあるけど、ホールデンの地の文のしゃべりで「~なんだな」っていう表現が繰り返し繰り返し出てくるのはやさぐれた少年っぽくて文章に一定のリズムを刻んでるようで好きなんだな。村上春樹の訳は言葉遣いやセリフはさすがに新しくなってるけど注釈をつけたり傍点を打ったりするのがあまり好みじゃないんだ、実際。

 訳としてどっちが優れてるかは原著の読破を断念した俺には語ることができないけど、タイトルは圧倒的に野崎訳のが良いと思う。原題は村上春樹のほうの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」でそのまま訳すと「ライ麦畑のキャッチャー」だ。

 

「でもとにかくさ、だだっぴろいライ麦畑みたいなところで、小さな子ども達がいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、僕はいつも思い浮かべちまうんだ。何千人もの子どもたちがいるんだけれど、他には誰もいない。つまりちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。僕のほかにはね。それで僕はそのへんのクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。で、僕がそこで何をするかっていうとさ、誰かがその崖から落ちそうになる子どもがいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。そういうのを朝から晩までずっとやっている。ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。たしかにかなりへんてこだとは思うけど、僕が心からなりたいと思うのはそれくらいだよ。かなりへんてこだとはわかっているんだけどね。」

村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」単行本P286-287 

 

この部分から取られたと考えられる。「つかまえて」というのは捕まえる側でなく捕まえられる側の視点なので原題とは正反対で大胆な邦題だと思う。「ライ麦畑から落ちそうな子供」と「キャッチャー」っていうのが何を意味するのかはいろいろ解釈ができそうだけど、ホールデンは自分自身が学校から落ちこぼれて追い出されてしまうような社会に上手く適応できない人間だと自覚していながら、それでも自分より弱くて純粋なこどもたちを守ろうとする優しい人物であるのが分かる。このタイトルはホールデンの気持ちを代弁してるのか、今まさにライ麦畑の崖から落ちそうな子供の一人の気持ちを表してるのかは判断しかねるが、職を2ヶ月で失ったニートのこの俺はライ麦畑の崖から真っ逆さまに転がりおちているようなものだと思う。誰か!俺をキャッチしてくれ。

古谷実の『ヒメアノ~ル』はおもしろい

 

 

あらすじ

岡田進は清掃会社で働きながらも、漫然と過ぎていく時間に不安と孤独を募らせていた。そんな中、岡田は同じ清掃会社で働く、更に冴えない先輩の安藤勇次とひょんなことから仲良くなる。

安藤はコーヒーショップ店員の阿部ユカに恋をし、岡田は止めたが安藤の恋心は止まらず、岡田は安藤の恋の手助けをする中で皮肉なことにユカに告白され、付き合うことになってしまう。多少のトラブルはありつつも岡田たちの日常はぐだぐだと過ぎてゆく。

しかし岡田たちの恋愛劇の裏では凄惨な殺人劇が起きていた。岡田の元同級生で酷いいじめを受けていた森田正一は突発的で理不尽な殺人を行いながらユカに目をつけつけまわすようになり、徐々に岡田たちの日常を侵食し始める。

 

古谷実(と偉そうに呼び捨てにしてすいません)と言えば「稲中卓球部」が代表作だけど、絵が苦手でまだ読んだことない私は古谷実ファンを名乗っていいのか迷うところがある。

 俺が古谷実の作品を知ったのは高校生で、お盆に家族旅行で行った温泉旅館の漫画コーナーに「ヒミズ」が明らかにやばそうなオーラを放って置いてあって、なんとなく手に取って読んでみたらあまりの救いのなさに心底ブルーな気持ちになった。なにしろ最初に「ヒミズ」を読んだので暗い作品ばっか描いてるのかと調べてみたら元はギャグ漫画家だと知ってびっくりしてそれからちょっとずついろいろ読み始めたけど、「稲中」は絵が「ヒミズ」と違って荒くてなんか読む気がしないのでした。

 

 そういえば「ヒミズ」も最初の方ちょっとだけ笑える要素入ってたけど、いきなり物語がバーンと暗くなってその落差に頭をぶん殴られる感じがあって、「稲中」の次の連載である「僕といっしょ」はギャグ漫画だけど主人公兄弟の境遇は第一話から笑えないくらい悲惨で、この作家はギャグ漫画の中に日常に隣り合わせの不幸とか悲惨さを描こうとしているのだと思った。(グリーンヒルは不幸っていうか倦怠感とか将来の不安)

 

 「稲中」で一時代を築いただけあって、どの作品でも台詞の掛け合いのテンポの良さとセンスは一級品でずっと読んでいたいくらい面白い。特に登場人物同士が喧嘩してる時の掛け合いがいちいち笑える。台詞だけでこんなに読者をひきつける作家はなかなかいないと思う。

 「ヒミズ」以降の作品はそこまで暗くもないし明るくもないグレーゾーンな描き方でタイトルに挙げた「ヒメアノ~ル」は連続殺人鬼を描いてはいるけど、岡田や安藤のおかげで「ヒミズ」みたいに読み進めるのが辛くなってくるほど暗くはならなくてバランスがいい。

 「自分がダメ人間すぎてどうしよう」と毎日悩んでる人間は間違いなく古谷実の漫画にハマるはずだ。あとこの人の描く女性キャラは性格がかわいいんすよ、本当に。

 こんな女の子がいたらいいのにっていう妄想が具現化したみたいな女の子ばっかでそれがポンコツ根暗男子の心を撃ち抜く。「シガテラ」の南雲さんが特に好きです。

 

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